お口のケガ、歯の外傷
2012-11-09
水曜日、学校歯科医をしている新津第三小学校の就学時健診が終わり午後の診療をしていた所、歯をぶつけてケガをしたお子さんが急患で来院しました。
幸い今回のお子さんは間もなく抜ける乳歯の所だったので、様子を見る事にしました。
以前のブログでも書きましたが、お子さんのケガの中で歯の外傷は比較的多いケガです。
今一度、もしものために応急の対応法を紹介しておきます。
歯の外傷はいろいろな状況が考えられます。
歯がグラグラしてしまった時は、周りの歯と一緒にその歯を固定して安静を保ちます。
歯の場合もこの様な状態を脱臼と言います。関節なども脱臼するとギブスをしますが、歯の場合も周りの歯と固定する事でギブスのようにするわけです。
歯が欠けてしまった時は、新潟市秋葉区では各小学校に「歯の保存液」を用意してあります。
割れた破片や抜け落ちた歯をその中に入れて持参してもらえます。歯の破片は保存液に浸けないでも良いですが、根から抜けてお口の外に出てしまった場合は、この保存液は本当に助かります。
歯が欠けてしまった時は、お米よりも大きな破片は、ぜひ探して持参してもらえると助かります。その破片をルーペを見ながら接着剤で貼付けることができます。さすがにお米よりも小さいと使えません。前歯のむし歯を治す樹脂の材料で治すこともできますが、やはり元の歯の破片を利用した方が断然良く治ります。
歯が欠けてしまった患者さんの治療例です。
学校で先生方が破片を必死に探して持って来ていただけました。神経が少し出ていましたので神経を保護する治療をしてから、ルーペを見ながらその破片を接着して終わりました。
破折片が全部そろっていませんでしたが、ここまで治して様子をみます。3ヶ月経過しましたが今の所、神経も生きているようです。
先日、久しぶりに他の部分の治療を希望してうめつ歯科医院に来院しましたが、幸い2年近く経っていますが、折れた歯の神経は生きていました。