仕上げ磨きのコツ
さて前回からの続きです。
うめつ歯科医院では、診療の中心に予防歯科を置き、むし歯と歯周病の予防、お子さんの歯並びの健全な成育のお手伝いをしていこうと考え始めてから15年以上経ちました。
しかし、今はむし歯と歯周病の予防だけでは足りないと考えるようになって来ました。
むし歯、歯周病は予防歯科としては当たり前の分野ですが、このようなお口の中の細菌が原因する病気だけを考えていても、一生自分の歯で食べる、笑えるという目的は達成出来るとは限りません。
うめつ歯科医院では、20年以上も乳幼児期から永久歯の歯並びへの成長発育や、歯周病の長期のメインテナンスを見てきました。
そうすると細菌が関係する歯周病、むし歯の他に、お口の周りの筋肉が歯並びや歯に対する力を考慮して行く事の大切さを、ひしひしと感じます。
このようにいろいろな方面から予防歯科を考えて行き着くことは、「出来るだけ低年齢から歯科に関わって下さい」ということになります。
早い段階から歯科に関わっていただくと、患者さんに色々なアドバイスを差し上げることができます。
そんな中で毎日診療しながら考える事は、患者さんが実際に家庭で出来るアドバイスの積み重ねを、どのようにお伝えするかが大事だということです。
さてそれではまず最初として、小児歯科の分野で大切な仕上げ磨きのアドバイスを説明していきますね。
前回のブログで書いた、お口の周りの筋肉が張って歯並びの成長を、妨げているケースの仕上げ磨きの仕方です。
下唇の下が強く凹んで、そこからアゴの下の筋肉が盛り上がっています。
このような状態は、過度に緊張した筋肉により下アゴの前方への成長を妨げます。
そこで仕上げ磨きの時に一工夫してあげて下さい。
歯並びに関係する仕上げ磨きの方法。
一般に仕上げ磨きの時に、保護者の方の歯磨きの仕方を見せていただくと、片手で歯ブラシをお子さんの口の中に入れて、もう片方の手はお子さんの口の中に入っていません。
下の写真を見て下さい。左上の奥歯を磨いている所です。
歯ブラシを持っていない保護者の方の手の指も、お子さんの口の中に入っています。
そして指でしっかり頰を外側に広げて、奥歯までよく見えるようにして歯磨きしています。
この際に頰を広げている指は、すこし頰をマッサージして、外側により広がるようにします。
そうすることであまり動かない頰の筋肉に刺激を与えて、頰を柔らかくする効果があります。
次に写真のように上の前歯を磨く時も、最初にシッカリ上唇を痛くない程度に広げて、歯並びがよく見えるようにしてから何回かマッサージしてあげます。
こうする事で緊張した上唇の筋肉を、マッサージして柔らかくする効果があります。
特に反対咬合のお子さんは、上唇が硬く張っている傾向がありますので、上の歯並びが前方に成長しにくくなり、増々反対咬合を悪くすることになります。
下の歯を磨く時も、同様に下唇をマッサージしてあげます。
上の歯が出ている前回のブログのケースの様なお子さんは、下唇のマッサージは大切です。
せっかく仕上げ磨きするのですから、むし歯予防だけでなく歯並びにも良い影響を与えてあげたいですよね。
今年のブログの更新も、今日が最後になりました。
本年も各分野で、うめつ歯科医院を支えていただいた皆様、色々と有り難うございました。
また来年も少しでも読んでいただいた皆さんのお役に立つ事を、書かせていただこうと思っています。
来年も宜しくお願いします。
皆様良いお年をお迎え下さい。
新年は1月4日午後から診療を行ないます。
うめつ歯科医院 院長 梅津英裕