歯磨きの時間
2011-07-02
今回は歯磨きのことです。
診療室で歯周病の患者さんの定期検査の時、歯磨きと歯ぐきの状態を知るために歯周組織検査という検査をします。歯肉炎の時は簡単な基本検査、歯周炎の時は精密検査(1本の歯の周り、表と裏の各3個所、合計6カ所。親知らずが無いと28本の永久歯ですから168カ所)
この精密検査で歯の汚れの割合、歯ぐきからの出血の割合、歯を支えている骨減少量等を調べます。健康な状態を維持するためには、うめつ歯科医院の基準となる数値は歯の汚れの割合が15%以下、出血が10%以下と考えています。
この目標値を軽くクリアー出来る患者さんもいらっしゃいますし、もう少し高い状態で推移する患者さんもいらっしゃいます。
大切なことはよい状態を保つために、目標の数値がキープ出来る歯磨き(プラーク•コントロール)を日常維持できるかです。歯科医院にいらっしゃる日だけ磨いても出血の割合は減りません。
いつも患者さんにお伺いするのは「この歯磨きをするのに1回何分ぐらいかかりますか。それは苦になりませんか」ということです。
いくら一生懸命磨いてもそれが大変で続かなければ意味がありません。歯周病の管理をしてゆくという事はその患者さんの10年、20年先を考えておつき合いしてゆくことです。そのためには自己管理の歯磨きはとても大切です。しかし基本的に歯磨きはそんなに面白いことではないと言う認識しています。
そこでいつも患者さんに歯磨きに要する時間を伺う訳です。磨き残しが10%以下の患者さんでも3~5分以内というところが一般的に続けていただくボーダーラインと認識しています。患者さんのお答えもそのぐらい多いようです。
そのためにうめつ歯科医院では歯ぐきの検査で歯周病で状態が悪い所だけを磨く方法の指導に重点を起き、悪くない所は「今までの患者さん自身の磨き方でいいですよ」とお話しています。
大切なことは歯磨きの効率化です。お口の中は結構場所により歯周病の状態が違うのが一般的です。それを口の中全部ざっと磨くより悪い所はきっちり磨く、これはとても重要なことです。