添い乳と歯並び
昨年末より少しづつブログに書かせていただいた、離乳から少しづつ食べ物を自分の口で食べることのステップについての話の続きです。
厚生労働省の離乳のガイドラインでは、そのステップを以下のような5つの時期に分けています。
【口唇食べ期(ゴックン期)】・・・・・・・ 歯が生える少し前の段階
【舌食べ期(モグモグ期)】・・・・・・・・・下顎乳中切歯が生え始める時期
【歯ぐき食べ期(カミカミ期)】・・・・・・ 上下乳中切歯・乳側切歯(8本)が生える時期
【手づかみ食べ期(パクパク期)】・・・上下前歯が生えそろい、第一乳臼歯が
生え始める時期
【歯食べ期(カチカチ期)】・・・・・・・・・第二乳臼歯も生え、乳歯が生えそろう時期
さて、今回はその前の哺乳の時期のことについてちょっと触れてみたいと思います。
添い乳(そいちち)について
母乳をあげる時、寝かせたまま哺乳することです。これには色々な意見があるようです。
肯定的な意見としては、「哺乳時に母親は横になっているので、赤ちゃんを抱きかかえる必要がないため体勢的に楽」、「赤ちゃんを寝かしつけやすい」などです。確かに就寝中の哺乳はこのような姿勢にならざるを得ません。否定的意見は「窒息しやすい」、「中耳炎や鼻詰まりになりやすい」等の意見です。
歯科的には、添い乳で哺乳すると虫歯になりやすい、歯並びに影響する等があります。
歯並びについては、このような危険性があると指摘する先生も多くいます。
横向きに常に一定の方向を下にして哺乳することにより、顎の位置が左右にずれる可能性があります。
下の写真のお子さんは、左側(お子さんの左)の乳歯の左側の上の歯が下の歯の内側へ入ってしまっています。それに伴い前歯の上下も左側にズレています。この状態が続くと顔の歪みにつながります。(写真をクリックするとキチンとした大きさで見れます)
右側はムーシールドという矯正装置を装着し改善した後の写真です。左側の上の奥歯はきちんと下の歯の外側へ出てきました。それに伴いズレていた前歯の上下も正常な状態に治りました。
やはり夜間のどうしょうもない時以外は、きちんと座った状態での哺乳をお勧めします。