6歳臼歯の仕上げ磨き
うめつ歯科医院で日頃、定期検査や治療中の患者さんに、お話する予防歯科に関するアドバイスはたくさん有ります。
その中で今回は、お口の中に生えて来たばかりの6歳臼歯の仕上げ磨きの仕方を、説明させていただきます。
6歳臼歯は永久歯の中で最も咬む力が強く、物を食べる際に重要な歯です。
更にその他に歯並びに対しても、「咬合(噛み合わせ)の鍵」と呼ばれていて重要な役割をします。
そんな大切な6歳臼歯ですが、とてもむし歯になりやすい歯です。
右下の6歳臼歯が生えて来ました。まだ咬む面の奥の方は歯ぐきが被っています。
こんな時が一番むし歯になりやすい時期です。
その理由は大きく分けると3つあります。
1つ目は、お口の一番奥に出て来るので、歯ブラシが届きにくい。
2つ目は、咬む面の溝が複雑な形で、溝の奥まできれいに磨きにくい。
3つ目は、生えて来たばかりの歯の表面はまだ柔らかいので、むし歯になりやすい。
歯はお口の中で唾液に触れることで、だんだん硬くなります。(エナメル質の成熟と言います)
お口の中に生えて来た歯は、数年経つと歯の表面が硬くなり、むし歯になりにくくなります。
さて今回来院した6歳の患者さんも、咬む面の溝をレーザーで調べる機械で診査すると初期むし歯になりそうでした。
そのような時には、シーラントというむし歯予防の処置がありますが、できればシーラントもしないで済めば一番理想的です。
このような時、うめつ歯科医院ではシーラントを第一選択とは考えません。
第一選択はホームケアでのフッ素の利用です。
この生え始めた6歳臼歯の仕上げ磨きの際に、ワンポイントアドバイスがあります。
実は仕上げ磨きの時に、保護者の方にお口全体に適切な量のフッ素入り歯磨き剤を使用してもらいます。
その後、下の様な形の毛先の歯ブラシを使い、写真のようにフッ素入り歯磨き剤を6歳臼歯に擦り込んでいただきます。
このような形の歯ブラシは歯周病の歯磨きの際に、特に歯周病が重症な部分のワンポイントを丁寧に磨く際も効果的な歯ブラシです。
写真のように良く擦り込んで、その後1回だけうがいをします。
この後の注意点は以前のこちらのブログに記載してあります。ぜひご覧下さい。
→https://www.umetsudental.com/wp1/archives/category/pastblog/むし歯のこと
このような仕上げ磨きをしていただいたおかげで、レーザーの初期むし歯診断の数値が改善して、シーラントをしないで大丈夫な状態になる歯がたくさんあります。
予防歯科では、普段患者さんが家庭で行なう事ができるアドバイスを、どれだけわかりやすくお話していけるかが大切なことです。
小児歯科の分野では、患者さん本人だけではなく、保護者の方に家庭でお手伝いしていただくことも大事です。
ぜひ仕上げ磨きの際に取り入れてみて下さい。