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2011年6月の記事

21年目のメインテナンス

2011/06/25

  今回も歯周病のことです。

今週の月曜日にSさんが歯周病のメインテナンスにいらっしゃいました。この患者さんはうめつ歯科医院で最もメインテナンスが長い患者さんのお一人です。今回でついに21年目のメインテナンスに入りました。
最初に来院されたのは平成3年の4月12日でした。当時はまだ20代半ばで歯周ポケットが上の前歯と下の6歳臼歯の部分に7mm以上の所がある重症な歯周病でした。
現在はAAP(アメリカ歯周病学会)の分類も少し変わりましたが、以前は若年性歯周炎と呼ばれる女性多く見られるまれなタイプの歯周病でした。
治療のための歯磨きの指導と歯石取りで、歯周ポケットはほぼ消失し現在まで再発はありません。
メインテナンスも20年間きちんと来院されて、いつもBOP(歯ぐきからの出血の%、うめつ歯科医院の取りあえずの目安は10%以下)は5%以下、PCR(口の中の磨き残しの割合、当院の取りあえずの目標は15%以下)も5%程度の時が多いという患者さんです。
20年間続いてメインテナンス出来る事は本当に私たちにとってもうれしいことです。担当の衛生士は当院のチーフ、彼女の勤務歴と同じ長さに等しいですね(内緒です)。
また、この患者さんの場合は手入れが良いので、むし歯が出来てもあまり進みません。うめつ歯科医院のホームページの「むし歯のお話」の「むし歯は全部削るの?」の部分に載せている写真がSさんの物です。今回写真を新しく撮影したのでホームページの方も写真と説明を更新する予定です。→https://www.umetsudental.com/wp1/005/index.html
歯の根元のむし歯の13年後の状態です。今後も削らずに経過を見てゆきます。
1998年10月8日         2011年6月20日
時々、歯周病の患者さんから「本当にきちんと指導を受けて歯磨きすると、歯磨きってすごい効果ですね」と言われることがあります。実際その通りです。歯ぐきから血が出る場合は歯科医院で歯科衛生士から歯磨き指導を受ける事をお勧めします。

ためしてガッテン 歯周病と糖尿病

2011/06/23

  さて、今回は糖尿病についてです。


昨日のNHKの「ためしてガッテン」は全身疾患と歯周病の関係でした。

歯周病の人は無い人より糖尿病が治りにくく、また心臓病になる確立が2.8倍、脳梗塞は2.9

倍との報告でした。タバコについてはこちらを参考にしてください。https://www.umetsudental.com/wp1/006/index003.html

歯周病と全身疾患の関連性はだいぶ前から色々と報告があります。例えば糖尿病、

心臓疾患、早産等です。その中で糖尿病の関係は最も信頼性のある報告が多く

関連性が強いものです。



糖尿病のコントロールが難しくなかなか治らない場合に、歯周病の治療をすると糖尿病が

改善するということです。確かに歯周病が無くても糖尿病の患者さんはいらっしょいます。

しかし、糖尿病の患者さんの中には重症の歯周病の方がいらっしゃいます。その方々の

歯周病の治療すると糖尿病が落ち着くケースはうめつ歯科医院でも見られます。



以前からうめつ歯科医院では初診時に問診で糖尿病がある患者さんには、糖尿病の

コントロールの指標のHb-A1cをお伺いして記録しています。

また、歯周病のメインテナンスの時にもHb-A1cの変化をお伺いして記録していますので、

糖尿病手帳を見せていただいています。最近では新潟市秋葉区の内科の先生より、糖尿病の

治療中ですが歯周病の治療をした方が良いと紹介されて来院される患者さんもいます。



お口の中には血管が豊富で、また粘膜は血管が非常に露出しやすい部分です。

歯肉炎や歯周炎で歯ぐきが腫れて歯磨きで血が出やすいことでも想像しやすいと思います。

しかし、歯ぐきでは簡単にこんなことが起きてしまいます。したがってお口の中の細菌が血

管の中に容易に入っていってしまいます。もし、肌に細菌が着いて腫れてブラシで

軽くこすると血が出て来たら驚きますね。




歯周病の初期の歯肉炎では80%が歯と歯の間からが始まります。こまかく歯ブラシを動かすことも大切ですが、フロスや歯間ブラシを使うことがとても大切です。

歯ブラシ、フロス

歯周病は初期には自覚症状が無いので、健康だと思っていてもぜひ調べてみてはいかがでしょうか。

歯ブラシが先か,フロスが先か

2011/06/09

  今回は真面目な歯磨きのお話です。

「歯を磨く道具は?」と聞くと皆さんはブラシと答えます。(当たり前)
「その他はありますか?」ともう一度聞くと糸ようじ、フロス、歯間ブラシ等が出て来ます。
歯ブラシ、フロス
 先にフロスについてです。
フロスにも色々な形が有ります。お勧めは真ん中の青い色のタイプ、糸と柄が直角のタイプです。理由は簡単です。磨きにくい奥歯を磨きやすいからです。そして使い方のコツは歯と歯の間にそっと入れてから奥に押して何回か上下に動かし、次に手前に引いて何回か上下に動かすことです。
 次は歯間ブラシです。
歯と歯の間を磨くことができるように写真のような形をしています。隙間の大きさによりいくつかのサイズがあります。サイズが合っていないとせっかく磨いても汚れが取れなかったり、歯ぐきを傷つけてしまいます。
歯間ブラシ
 これもただ横から入れるのではなく、写真のように歯に添わせてください。時々爪楊枝のように横から入れるだけの方がいますが、大事な歯ぐきの際の汚れが取れません。
歯間ブラシ方法2
毛先が当たっている部分の汚れしか取れません。
歯間ブラシ方法
次の方向です。先ほどと違う部分に毛先が当たっています。
このようにせっかくの道具ですので効果のある使い方をしましょう。
更に大事な事です。
歯ブラシとフロスや歯間ブラシ、どちらを先に使うかです。
正解はフロスや歯間ブラシが先です。理由は簡単です。フロスや歯間ブラシを使うことが習慣になっていないと歯ブラシから使うとそれでおしまいになってしまいます。特に忙しいときはその傾向が強く結局歯ブラシしか使わなくなります。新しい習慣を身につけるには今有る習慣の前にすることです。
 うめつ歯科医院で学校歯科医をさせていただいている新潟市秋葉区第三小学校の5年生の歯肉炎予防教室では、歯ブラシではなくフロスを使って指導をしています。理由は歯周病の80%は歯と歯の間の歯ぐきから始まることと、フロスだけ指導した方が歯肉炎が良く治るという上越の小学校での研究成果があるからです。

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