2012年9月の記事
禁煙② 女性の禁煙
2012/09/30
前回の続きです。
禁煙を試みる人は沢山います。その中で案外禁煙が難しいのが、若い女性の禁煙。
若い女性は男性と比べヘビースモーカーが少なく、1日に吸うタバコの本数が少なく、また軽いタバコを吸っている方が多く見られます。
一見ヘビースモーカーより簡単に禁煙できそうですが、実は中高年の男性より禁煙の失敗率が高いのです。
男女合わせて年齢別の禁煙成功率を見ると、年齢が低いほど禁煙の成功率は下がります。最も難しいのは小学生や中高生のニコチン中毒だそうです。
若いほどニコチンに対する脳の感受性が高いので、タバコを求める気持が強くなるんですね。
一方、中高年の場合は既に高血圧、脳梗塞などの脳血管障害を多く見られ、自身の健康面での不安を抱えていますので、禁煙の成功率は上がります。
女性も男性に比べ妊娠を機会に禁煙を試みる等で、比較的若い年齢で禁煙に挑戦します。しかし自身の健康面の不安が少ない、本数が少ないので害が少ないと考える、喫煙本数を少ないので健康保険で薬を使った禁煙治療の適応にならない等が、禁煙の成功率を下げる要因になります。
しかし、実は軽いタバコ、1日の喫煙本数が少ない場合の方が、体内に取り込まれるニコチンの量は多いと言う研究データは沢山あります。
今後も男性の喫煙率はさらに減少すると思われますが、女性の喫煙率を減少させるのは難しいと話されていました。
講師の高橋裕子先生は、インターネットで「禁煙マラソン」を立ち上げた先生です。
「禁煙マラソン」のサイトにはマタニティのコースやナースのための禁煙サポートがあります。
喫煙中の女性の方も、ぜひ見ていただけると良いと思います。
インターネット禁煙マラソン→http://kinen-marathon.jp/
禁煙① 禁煙のストレス
2012/09/28
さて、先日参加したつくば市で行なわれた第55回歯周病学会の内容で、一般の方にも興味を持っていただける内容の紹介です。
今回の学会で特に役立ったのは、「喫煙者のリスクマネージメント」高橋裕子先生の講演。
歯周病は現在、世界中で一番広がっている病気です。この歯周病を悪くする大きな原因が喫煙。
一般的には喫煙者は、タバコを吸わない人より4倍ほど歯周病が悪化してゆきます。
歯周病を悪くする全身的なリスクとしては、糖尿病や遺伝、薬剤(特に一部の血圧の薬)等がありますが、最大のリスクはこの喫煙です。
うめつ歯科医院のホームページ「歯周病をさらに悪化させるリスク」→https://www.umetsudental.com/wp1/歯周病をさらに悪くするリスク
今回は癌や心臓病、脳梗塞や脳溢血などに対する喫煙の悪影響は述べません。
もう喫煙者は耳にタコができるほど聞いて知っているはずです。
さて、その耳にタコができるほど周りから禁煙について言われている喫煙者。
うめつ歯科医院に来院する患者さんにも、喫煙が原因で悪化した歯周病を抱えている人が沢山います。
やはり耳にタコが出来ていても、私たちはタバコと歯周病の関連性をお話しなければいけません。
「とりあえずお話しますが、無理強いはもちろんしません。もし禁煙しようと思ったらいつでも気軽に声掛けして下さい。」とお話しして、
「色々アドバイスできますよ」と付け加えます。
こうする事で長いおつきあいの中で禁煙していただいた患者さんも沢山います。
しかし、上手く行かない患者さんもいます。
そういう患者さんの中で良くあるお話のひとつが高橋先生の講演の中でも出て来ました。
患者さんに禁煙を勧めると、とたんに嫌な顔をされ「禁煙するストレスの方が悪い」と言われてしまいます。
こんなお話でした。
当院の歯科衛生士も同じ様な体験をしています。
病気とストレスは色々と関連づけられています。
確かにストレスは色々な病気を起こしたり、悪化させます。
それでは、禁煙するとタバコが吸いたいとストレスは溜まるか。
実は溜まります。しかし、喫煙者は禁煙しなくともストレスを多く常に感じています。
2008年のアメリカのビューリサーチの調査より、喫煙者は非喫煙者や元喫煙者より常に感じている結果が出ています。
すなわちニコチン切れはタバコを吸わないとすぐ感じてしまうので、その間常にタバコが吸いたいとストレスを感じているそうです。
これが何十年も続くのですから、すごいストレスですね。それらは禁煙に挑戦している間のストレス以上でしょう。
歯周病学会参加
2012/09/24
日曜日はつくば市で開催された日本歯周病学会の第55回秋期学術大会に、当院の歯科衛生士6名と参加して来ました.
私自身は小児歯科学会開催の学会や研修会は毎年必ず2回の参加していますが、歯周病学会への参加は久々です。
うめつ歯科医院の臨床担当の歯科衛生士は、全員日本歯周病学会の認定歯科衛生士です。
彼女達は最低年1回、歯周病学会主催の研修会や学会に出席し、研修を行なう必要があります。
歯周病学会認定歯科衛生士について→https://www.umetsudental.com/wp1/歯周病学会認定歯科衛生士
私が今回歯周病学会参加したのは、歯周病の認定医の資格取得を考えているためです。
今回の大会の大きなテーマは「歯周治療のリスクマネージメント」でした。
特に面白く大変勉強になったのは、タバコの歯周病についての高橋裕子先生の講演です。
奈良女子大学教授で京都大学付属病院で禁煙外来も担当している先生で、日本で禁煙治療の第一人者の先生です。
今回の講演の内容はまた何回かに分けて後日ブログに書かせていただきますが、あらためて禁煙の指導の大切さとポイントを理解出来ました。
また、今回の講演では高橋先生は和服で登場。
珍しいと思っていたら高橋先生は日本きもの学会の会長もされていました。
また歯周病認定医•専門医の教育講演は「天然歯およびインプラント周囲のティッシュマネージメントを考える」の演題で、明海大学准教授の林丈一郎先生が教育講演を行ないました。こちらはインプラント治療における注意点と問題点を豊富な治療例を通して講演されていました。
久々に歯周病学会に参加しましたが、参加人数も多く活気があり内容も大変役に立った学会でした。
台湾講演 2
2012/09/21
さて、前回の続きです。
台南市歯科医師会のお招きで講演をさせていただいた後の質問時間でのこと。
講演も予定より延びて既に夜の11時近く、さらに会場から質問も有りましたので、それらにお答えしていました。
1名の20代後半ぐらいの女性の先生が質問に手を上げて来ました。
会場の進行係の先生がその先生にマイクを渡すと、日本語で質問してきました。
「先生の所で行なっているMFT(筋機能療法)が歯並びの正常な発育や矯正治療に必要なのは理解出来ました。しかし台湾では一般的でありません。どこでもっと知る事が出来ますか」
MFTについて→https://www.umetsudental.com/wp1/口膣筋機能治療(MFT)
この質問が本当にキレイな日本語、今まで一生懸命私の講演を通訳してくれていたT先生よりはるかに上手。
私も日本語でお答えしましたが、T先生は他の先生のために、中国語に翻訳して通訳しています。
そうするとその女性の先生は「T先生、梅津先生の話している意味はそうじゃないでしょう。こういう意味ですよ」と通訳した中国語を訂正していました。
さらに講演会が終了した後、その女性の先生と更にお話しましたが、日本語を習ってまだ半年と言っていました。
これには更にびっくりしました。
台湾には日本語学校が沢山あり、日本語を話せる人は沢山いますが、ホテルのレセプションでも彼女ほど流暢な日本語は珍しいです。
以前、東大の名誉教授の解剖学者養老孟司先生の本に、言語学習の脳の発達は性差があり、明らかに女性の方が優れている「ばかの壁」に書かれていました。
確かに女性はお話が好きですし、話すスピードも男性より早い様な気がします。
その時は本当にそれを身にしみて感じました。
台湾講演 1
2012/09/19
先日、自宅のパソコンのハードディスクが壊れ修理に出しました。
幸いMacの付属アプリのTime MachineでBackupを取ってあので、大切なデーターは無事復旧。
しかしBackupデータのシステムの一部が壊れていたらしく、全て復旧するのにAppleのサポートを受けながら2日間を要しました。
本当にパソコンはトラブルを起こすと時間を食べるお化けに変わります。
さて無事復旧したら以前iPhotoで保存していた古い写真等もみごと蘇って来ました。
そこで良い機会と今までの写真のライブラリーやイベントを整理することにしました。
そんな中から出て来た懐かしい写真の1枚がこれ。
2007年9月に友人の台湾高雄で開業しているT先生に頼まれて、台南の歯科医師会で講演した際のポスターの写真。
制作していただいた先生が「日本の先生が来るので、日本のイメージで作りました」と話してくれました。
台湾の人たちが日本に抱いているイメージはこんな感じなんでしょうね。
講演のテーマは「ある歯科開業医が考えている事」。
まあ内容的には私の医院のホームページで取り上げている予防中心の歯科医療の事を、いろいろな治療例や患者さんの長期の経過を交えながら2時間講演して来ました。
この際に大変だったのは資料作成。
講演にはパワーポイントを使い資料を作成しますが、講演にいらしていただく先生は台南市の歯科医師会の会員の先生なので、そのためには中国語で作成しなければいけません。
まず日本語で作成し、その後中国語版へ直す。
しかも専門用語は普通の中日辞典には出ていません。
幸いその時は、ハルピンから新潟大学の大学院に留学していた麻酔医の先生に中国語を習っていたので、そのU先生に助けてもらいました。
ところがそれでまだ完成ではありません。ハルピンの先生が直してくれたパワーポイントは全て簡体字です。
しかし台湾で使っている字は、戦前の日本で使われている繁体字。同じ字も有りますが、結構違う字も多い。
そこで最後に高雄のT先生に資料を送り、簡体字から繁体字への変更。
それでやっと講演資料は完成。
次に今度はせっかくですから最初の挨拶の部分は中国語と、終わりのお礼の部分は台湾語で少し気の利いた挨拶をしたかったので、それらの練習。
当時は今ほど中国語も出来ませんでしたから大変でした。
更に台湾語は中国語とは別の言葉ですので、これまた大変。
やっと憶えて行きの飛行機の中でも一生懸命に練習しました。
当日は約50名に先生が集まってくれました。
講演の内容の部分はさすがに中国語ではとても話せませんので、私が日本語で説明してT先生が中国語に翻訳。
普通日本語の講演では、パワーポイント1ページに1分少々と考え、1時間半で約70枚程度のページを準備しますが、今回は通訳する時間も必要なので時間配分がよくわかりません。
結局予定時間を30分オーバー。台湾の病院や診療所は普通でも夜9時くらいまで診療していますので、講演開始が9時、終了したのは夜中の11時でした。
しかし皆さん積極的に聞いていただいて講演後も質問も沢山いただきました。結局時間切れで全てにはお答え出来ませんでした。
台南市の歯科医師会会長の先生より感謝状と記念品をいただきました。
犬の表情
2012/09/15
5年前の中越沖地震の年に犬を飼い始めました。
今年5歳の雄の柴犬。
その犬は生後1ヶ月の時に刈羽町で体験しています。我が家へ来たのは7月の終わり、そこで名前を「大地」と名付けました。
その犬を飼ってみて,犬にこんな色々な表情があるとは思いませんでした。
一般的に犬の表情としては、怒って牙をむき出している表情は想像がつきますね。
また、普段の表情はこんな感じでしょうか。
つまらなそうにぼーっとしている時の表情。
そして笑顔の表情もします。
やはり表情のある動物と生活するのは面白いですね。
キタキツネ
2012/09/13
最近撮影した写真をiPhotoで整理していたら、以前使っていた携帯の待ち受け画面に使っていた写真が出て来ました。
2008年5月に洞爺湖の「ザ・ウィンザーホテル洞爺|の駐車場で撮影した写真です。
→http://www.windsor-hotels.co.jp/
このホテルは08年主要国首脳会議(サミット)が開かれたホテルです。
洞爺湖を見下ろす丘の上に立つホテルで、警備がしやすい、風景が良い、北海道を海外にアピールする等の理由から選ばれたそうです。
サミットが開かれるホテルとはどんなホテルだろうと、興味津々でランチに行って来ました。
ランチを食べ終わりホールで休んで、窓の外を見るとキタキツネがいました。
こんなに近くで野生のキタキツネを見るのは初めて。
しばらく見てから帰ろうと駐車場に戻ると、そこにもキタキツネがいました。
「キツネ沢山いるんだ」と思っていましたが、車の中に置いておいた我が家の柴犬を外に出すと、その柴犬の方に寄って来ました。
その際に撮影した写真がこの写真です。
冬の厳しさを乗り越えた野生のたくましさと厳しさを感じる姿でした。
カトレア「●C. C. G. Roebling‘Blue Indigo’」開花
2012/09/11
昨年、大学時代後輩の台湾の高雄で開業しているT先生と会うために台湾に行った際、台中市で開催されていた蘭展を見て来ました。
この蘭展で気に入った花がこれです。
●C. C. G. Roebling‘Blue Indigo’
カトレアの中では比較的少ない青色系の原種同士の後輩から生まれた極美花。
少し細めの花弁が凛として清々しい花です。
帰国して探した所、温室を間借りしている新潟市江南区の細川洋蘭農園にありました。
1株購入して育てていましたが、先日開花しました。
早速、うめつ歯科医院の玄関に飾りました。
天気の良い日は、とても良い蘭の香りがします。
台湾で見た花より花の開きが悪いようですが、今後株が大きくなり力が付くともっと良くなるでしょう。
蘭は株の状態や栽培環境により花が咲いても全く違ってしまいます。
洋蘭を栽培して20年近くになりますが、昨年良かったから今年が良いとも限りません。本当に難しいと思います。
それだけ栽培者の腕の見せ所のある園芸種なのかも知れません。
タイ料理 コブミカン(マックルー)
2012/09/08
数年前、タイ料理にハマったことがありました。
タイ料理で有名なのは、トムヤンクン、グリーンカレー等ですね。
さて、グリーンカレーは緑色は青唐辛子の色です。それにココナッツミルクが入るので白く濁ります。
その他、いくつかの野菜と鶏肉が主な材料ですが、もう一つどうしても必要な材料があります。
それはバイマックルーと呼ばれるハーブです。
これはコブミカンの葉のことで、これが無いと本格的なタイのグリーンカレーの風味は出ません。
時々、乾燥させた物が輸入食材屋さんにもありますが、フレッシュな物は別格で香が全く違います。
当時タイ料理を自宅で作っていた際に入手した物が、今は立派な鉢植えになっています。
名前がコブミカンというだけあって実の方はやはりコブだらけ。コブと言うより皺だらけと言う方が正解かも知れません。
毎年2、3個しか実りませんが、この実の皮も素晴らしい香がします。
これを少し削いで料理に入れるだけでエスニックな本格的タイ料理の完成です。
成育歯科医療研究会
2012/09/06
昨日の5日水曜日の休診日は、うめつ歯科医院の歯科衛生士全員と成育歯科医療研究会大会に出席して来ました。
この研究会は以前は咬合誘導研究会という名前でした。途中から現在の成育歯科医療研究会と名前を変えて、今回が17回目の大会です。
「改めて、成育って?成育歯科医療って何だ?」をテーマに、歯並びやお口の中の発達に問題があるお子さんの生活背景を考えることを中心に2日間、新潟市のプラーカ1の2階の新潟大学駅南キャンパス「ときめいと」を会場に、3つの大きな講演と臨床的なカンファレンスとシンポジウムが行なわれました。
今までは主に関西方面の先生が中心に行なわれてきた、この研究会が日本海側の都市で開催されたのは今回が初めてでした。
その理由は、2年前に鹿児島大学から、新潟大学の小児歯科教授に就任された早崎教授が大会長を担当されたからです。
初めて参加した研究会ですが、普通の大きな学会の講演より、普段臨床で熱心に診療されている先生の講演やディスカッションが多く有意義な会でした。
特に姫路市で開業しているカノミ矯正•小児歯科クリニックの嘉ノ海 龍三先生の「時代は2Dから3Dへ:この新しい概念の診断と治療の未来と現実」のテーマのオープニングレクチャーは、とても有意義でした。
→カノミ今矯正小児歯科クリニック http://www.kanomi-ddsc.or.jp/index.html
歯科用のCTを小児歯科や矯正領域にどのように利用してゆくか、その利点や欠点が理解出来ました。
うめつ歯科医院でも今後どのように患者さんに、この辺の分野の治療をより良く理解していただくかは大きな課題だと感じました。