2017年4月の記事
糖尿病と歯周病
2017/04/23
平成29年4月11日現在の日本の推定人口は1億2,679万人です。その31%にあたる約4,000万人が糖尿病またはその予備軍と言われています。
三人に一人です。
糖尿病は「生活習慣病」と呼ばれる慢性の病気の代表格。
「生活習慣病」という言葉。これはその病気になった人の生活習慣が悪いからというイメージを持ってしまいます。すなわち自己責任の病気というイメージです。
しかし、そうでしょうか。
現代の日本社会で生活していると高脂肪食、糖分の過剰摂取、夕食を摂る時間が遅く夜9時以降になる、これらはごく普通にある生活です。
高脂肪食といっても特別な食事ではありません。カレー、ハンバーグ、アイスクリーム、日常お子さんたちが大好きな食べ物は高脂肪食です。
糖分の過剰摂取はどうでしょうか。甘いお菓子や飲み物だけでなく、体に良いからと食べる果物も品種改良でどんどん甘くなっています。ビタミンCやクエン酸を摂るためにミカンを食べる。このミカンも1個に角砂糖3個分の糖分が含まれています。
うめつ歯科医院でお子さんの受診の際に時々お渡ししているプリント
夕食を摂る時間が夜の9時以降、これは私も含めて当たり前になってしまっている家庭も多いと思います。お子さんも塾や習い物で家に帰るのは9時以降、こんな事多いと思います。
これら日常茶飯事の事が全て、膵臓に過大な負担を掛けて糖尿病の引き金になって行きます。
「生活習慣病」自己責任の病気というより今の日本で生活してゆく場合は、社会環境による環境疾患という捉え方の方が良いと思います。
糖尿病になると歯周病になりやすいことは、すでにたくさんの研究から明らかになっています。
最近は、できることから少しでも生活環境を変えて行く、子どもたちにも伝えてゆくことの大切さを身にしみて感じています。