食べ物と歯周病
先月の深井•加藤歯科医院の歯周病研修会で紹介され内容の一つ。
深井先生が今年6月ウィーンで開催されたヨーロッパ歯周病学会で聞いて来た講演の一つで、一般の方にも役立つ内容がありました。
それは、「食べ物と歯周病」についての関連性。
原題は「栄養学的にみた歯周炎ー歯周病の栄養管理ー」です。
色々な情報の細切れですが紹介します。
1)砂糖や炭水化物多くを摂ると歯周病は悪化するか。
砂糖を摂る頻度が高いと歯ぐきからの出血の割合は、高くの無いグループより1.5倍増加するそうです。
炭水化物の摂取量を減らすと歯肉炎が半減する。
簡単に書くとこの様な結果が出るそうです。
これら砂糖や炭水化物の多い食品としては、「糖類」、「米や小麦」、「シリアル」、「ジャガイモ」などでGlycemic Index(血糖インデックス)が高い食品、すなわち食後すぐに血糖値を上昇させるような食品ですが、これらを頻繁に摂取することは歯周病の原因になりうると言うのが、現在の結論だそうです。
一方で、低Glycemic Indexの食品として「果実」,「野菜」、「豆類」が代表ですが、これらの摂取で歯周病のリスクは低くなります。
また、Ⅱ型糖尿病、肺がん、胆のう疾患は、高いGlycemic Indexの食品摂取で、病気が進行してゆくことが知られています。
2)肥満は歯周病に影響するか
肥満は歯周病の相対危険率が2倍あります。
今年の春に新潟市の石井正敏先生の歯周病の研修会(歯周病学会専門医セミナーに認定された講演)でも、肥満は緩やかな自殺で、体に慢性炎症を抱えていることになると言われていました。
3)運動は歯周病と関係するか。
運動は歯周病のリスクを下げることも、5万人の医療関係者を12年間追跡調査した研究で明らかになっているそうです。
上のような事は、一般的にイメージ出来ることですが、歯科の世界規模の学会で、科学的根拠の基づいた講演で栄養のことが大きなテーマの一つに取り上げられるのは少ないので、良い講演と思います。