アゴが痛い(顎関節症)
12月に入り、高校生や中学生の患者さんの「アゴが痛い」という訴えが、いつもより増加した気がします。
今日も前から時々口を開けた時に、右の関節部でゴリゴリ音がする(専門用語でクリピータスと言います)症状があった中学生が、「この何日かアゴが痛い」と言っていました。
アゴの関節の所を触ってみても、今回はクリピータスはあまり感じません。以前より良くなっている感じですが、右側の関節の周りの筋肉が少し押すと痛いとのことでした。
お話を聞くと「家で勉強している時に、痛くなる」と言うことです。これは一生懸命勉強している時に、無意識に噛み締めている可能性大です。
今回は少しお口を開けながらアゴの関節の自分でステレッチをするアドバイスと、噛み締めていないか注意してもらう、もし噛み締めていたら上と下の歯を離して、噛み締めを止めてもらう事を指導しました。
また、勉強机に張り紙をして「噛み締めない!」と書いて貼ってもらうという事も効果が有ります。
これはリマインダーというマークです。
これは案外有効な手段です。しかしリマインダー利用の注意点は、時々このマークを違う種類に張り替えることです。
人間は、リマインダーを見慣れると意識しなくなります。見ても気がつかなくなるんですね。
そのために時々目新しい物に替える必要があります。
先月も「アゴが痛くて口が開かなくなった」と女子大生が急患で来ました。
彼女は年に1〜2回、このようなトラブルを訴え、うめつ歯科医院に来ます。
確かにお口も大きく開きません。とりあえずずれてしまった顎関節の組織を元の位置に戻して、お口が開くようにしてから、お話を聞くと
「ずーっと卒業論文忙しく、パソコンに向かっています」との事。
実はこのパソコンに長時間向かうという作業も顎関節症の原因の一つです。
彼女にもリマインダーを説明して、普段の自分の仕事の姿勢などの注意もしました。
顎関節症は、生活の中の原因と生活習慣、姿勢を正しくする指導は大切です。それを行なう事でかなり症状が改善される患者さんがいます。