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きれいな歯並びに必要な事
私たち小児歯科医は 「むし歯のないきれいな永久歯の歯並びの完成」 を目標と考えています。 むし歯については、むし歯を研究するカリオロジーという学問の発達とフッ素の利用でかなり達成されてきました。 もう1つの「きれいな歯並びの完成」については簡単ではありません。 むし歯は、乳歯の時にむし歯になっても治療後、予防をきちんと行なえば永久歯に生え変わることでリセットできます。 歯並びについては、歯並びを悪化させる色々な要素があります。 それらに対応できないと「きれいな歯並び」になりません。 また矯正装置で一時的に改善しても元の状態に戻ってしまう可能性もあります。
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まずきれいな理想的な歯並びを見てみましょう
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乳歯の歯並びは前歯に少し隙間がある方が良く、このお子さんも永久歯はキレイに生え揃いました。
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隙間が足りない乳歯の歯並び
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隙間なくきれいに並んでいる場合は永久歯の歯並びはきれいに並びません。 さらに乳歯の時に歯が重なっていたりデコボコの場合はさらに悪くなります。
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歯並びに影響するいろいろな要素
歯並びに影響する要素は色々ありますが大きく分けると主に次のようなものがあります。
- 遺伝
- 鼻疾患や口呼吸
- 飲み込みの際の正常でない唇や舌の動き
- 指しゃぶりや爪咬みなどの習慣
- 頬杖やうつぶせ寝などの習慣
- その他
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遺伝要素の例
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長女: 上の犬歯が八重歯になりそうです。
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母親: 左上犬歯が八重歯です。
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遺伝は最も大きな要素の1つです。しかし上の(2)から(5)までの要素も歯並びに大きく影響します。これらはいわゆる習慣的要素です。これらの習慣は1つずつ別々のようですがお互いに関係し合っている事の方が多く、3歳前後から始まることもあります。 いくつかのパターンを見て行きましょう。
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習慣的要素が影響している歯並びの例
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歪んだ上顎の歯並び
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噛み合わせが深過ぎて下の歯が見えません。
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嚥下の時に舌が歯並びから出ているため前歯が咬み合っていません。
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舌低位による受け口です。
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唇の力が弱く舌の悪習癖による上顎前突
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指しゃぶりやおしゃぶりによる歯並びの変形
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指しゃぶりで前歯が噛み合わない (3歳8ヶ月)
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指しゃぶりを止めて改善されました (5歳8ヶ月)
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※おしゃぶりを長期間に使用していると歯並びが歪んできます。 できれば2歳頃には使用を中止しましょう。
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